娘(高3)が自転車で人とぶつかった。
家でラグビーを観ながらお酒を飲んでいた私の横で妻が娘と電話していた。
話しぶりから何か起きたのだろうとぞわっとした。
すぐに行くからそこで待ってて。
電話を切った妻が言う。
「パパ、一緒に来て。○○(娘)が自転車に人がぶつかってきたとかなんとか言ってる」
「どういうこと?」
「なんか泣いててよー分からん」
覚悟を決めた。
よし行こう。
車の中で妻に言った。
「状況見てすぐに警察を呼んで事故処理してもらおう」
妻は無言。
家から車で10分もかからない喫茶店の駐車場。
娘と女の子(娘より1つか2つ下くらいの子)が寄り添って泣いてる。
女の子のお母さんがいる。
まずは女の子に怪我がないのか、状況を聞く。
「大丈夫です」
「痛いとこはないの?」
「足をぶっただけです」
妻が警察を呼んで病院へ行きましょうと何度か言う。
ちょっと待ったをかけて事故の状況を聞く。
うちの娘が自転車で走っていたらその女の子が泣きながら飛び出してきて自転車にぶつかったとのこと。
この子のお母さんも私の娘が悪いのですと言う。
警察に電話して事故登録して病院に行こうと何度か言う妻。
それに対して異論はないけど、
ちょっと状況が違う。
ふと妻が女の子のお母さんに向かって〇〇先生と言う。
そのお母さんは眼科の先生でうちの子が小さいころはこの先生の眼科に行っていた。
私はここに来る間に相手のことを想像した。
最悪のケースが当たり屋。
女の子がぶつかってきたと言ってた。
ゆすり、たかりのたぐい。
相手の親も来ていると聞いたので、
それがどんなたぐいの奴だろうと絶対に娘を守る決意。
普通の事故であれば後のことを考えて、
警察で事故処理&病院へ連れて行く。
状況としてはどちらとも違う。
病院へ連れて行きたいという妻の言葉を制して、
女の子とそのお母さんにどうしたいのか話してもらった。
どうやら家でもめ事があるらしい。
お父さんがやってきた。
身体障碍があるようだ。
女の子からは精神的な不安定さを感じた。
お母さんも言った。
家で色々あって今月は眼科もお休みにしていると。
娘は女の子の話を聞きながら一緒に泣いている。
後で聞いた話では私死にたい死にたいと言ってたそうだ。
私は介護の仕事、不動産の仕事、妻は医療の仕事をしている。
そういう不安定さを持つ人と接することの多い職業。
娘はやはり純情だ。
そのままストレートに話を聞いている。
もちろん娘に対しての危険さを感じる。
しかし同時にその純粋さに感動を覚える。
感動とは感じて動くこと。
動くのは身体であったり心であったり。
警察に電話をしたり病院へ連れて行くことはこの親子を追い込んでしまうと思い、
お互いに電話番号を交換した。
娘はその子とLINEを交換してた。
結局20分以上そこで話をした。
何が正解かは分からない。
家に帰っても娘は泣いてた。
純粋だ。
私何も出来なかったと言ってる。
色々困ってる人を救いたいと思って弁護士になりたいと思っているのに、
何も出来なかったと。
今日、娘は学校を休んだ。
昨夜泣き過ぎてのどが痛いと言う。
心配になって昼に家へ電話したら受験勉強しているとのこと。
なんだか1年に2~3回は娘のことでブログを書いている。
多感な年齢。
あれこれ言わず見守るのが正解なのかなと思っている。